とある探偵の赤いかさ

<創作> <シリーズ:とある探偵と花の魔女> <ファンタジー> <掌編/文字数:300文字>

公開日:2017/06/03
Twitter300字ss企画(Web企画投稿作品再録)
お題:かさ (⇒「瘡」に変換)」


 事務所で休憩を取っていた時だ。
 いつもへらへらしている智也が、どこか沈んだ表情で茶を啜っている。何だろうと観察していると、彼の視線が自分の左腕を向いている事にレイは気付いた。
「ちょっと大げさ過ぎたかな……」
 そう言って腕の包帯を外していくと、大きなかさぶたが現れる。ただ、外す時にうっかり爪を引っ掻けたらしく、一部が剥がれて再び出血すると机にあった万年筆に垂れてしまった。

 シュワ。

 炭酸の様な音を立てそれは小さな棒手裏剣へとその形状を変えてしまった。
「……」
「もういい。後の事は俺が全部やっておくから」
 血を以て金属を自在に操る魔女に、同じく血で植物を操る相棒は、怪我の箇所を消毒し新しい包帯を巻いてくれた。

<END>