とある喫茶店の、変わらずの店内

<創作> <シリーズ:とある喫茶店~> <日常> <掌編/文字数:300文字>

公開日:2022/11/05
Twitter300字ss企画(Web企画投稿作品再録)
お題:来る


「お気をつけて!」
 両手が荷物で塞がった客のため、喫茶店の看板娘である茶々良は扉を開け見送った。一息つき、店内に一人きりになったことで彼女はふと、この数年間に起きた事を思い出した。

 世界的な流行り病による、自治体からの休業要請。
 店の存続さえ危ぶまれた時には、流石に店長も苦しい顔を浮かべていた。様々な手を打ったことで、幸い今日まで無事にこの店は存続できている訳だが。

 カラン。

 扉が開く音に振り向くと、ずっと以前からの常連客であった、いつもの4人の姿。
「よお。今日は久々に店内でゆっくりしても良いか?」
 その声に彼女は、満面の笑みで彼らを出迎えた。
「どうぞ! いつも来て頂きまして、本当にありがとうございます!」

<END>