家庭用ロボットは電気コタツの夢を見るか?
<創作> <読み切り> <SF> <掌編/文字数:300文字>
公開日:2019/10/05
Twitter300字ss企画(Web企画投稿作品再録)
お題:夢
「アー、働キタクナイデゴザル」
コタツに入り浸るなり、生活介助特化型家庭用ロボットはそうぬかし始めた。
「お前なあ……一体何しにこの家に来たんだよ」
「勿論、働キニデスヨ。デモ休ミモ必要ナンデスヨ。主殿モ一緒ニイカガデス?」
そう言って隣に来るよう催促してくる金属の塊に、苦笑いを浮かべた俺は同様に金属で出来た脚を滑り込ませる。
出張先で偶然巻き込まれた事故。絶望的とも看做された中で唯一俺の命を繋ぐ方法が、脳と脊髄を除いた全てを機械に置き換えることだった。
正直今でも、肉があった頃の夢を見ては痛みにうなされることがある。
こんなに寒い日は関節が痛んだりしてたっけなと、俺はコタツと隣の温もりに甘えることにした。
<END>