とある探偵たちと死者の食べ物
<創作> <シリーズ:とある探偵と花の魔女> <ファンタジー> <掌編/文字数:300文字>
公開日:2018/06/02
Twitter300字ss企画(Web企画投稿作品再録)
お題:空
『我をこの女より退けたくば、多くの魂を捧げよ』
「はいはい、今やるから待ってろ」
この前、人工魔法が関わる事件を解決する最中、封印されていた悪霊が事もあろうに助手のレイチェルに憑りついた。
とはいえ憑かれた側はピンピンしており、寧ろ
「このままにしておけば二次被害が出るかもしれないから、ちゃんと成仏させよう」
とか言い出す始末。
俺が買ってきたいかり豆の袋を振ると、悪霊が素早く手元から袋を奪い、一心不乱に貪り始める。
「……全く『空豆の茎は冥界と繋がっていて、豆には死者の魂が宿っている』なんて逸話を知っていたからいいようなものの」
わき目も振らず豆を満足そうに頬張る悪霊に、俺達二人は顔を見合わせて苦笑いした。
ちょっと変化球過ぎたかなと反省(^^;)
「空豆」の名前の由来って、豆が空に向かって生えてなることから名づけられたとのこと。
空豆はエジプト文明時代からよく食べられていたようですが、人間の遺伝子要素によっては「ソラマメ中毒」といって溶血性貧血を引き起こすらしく、そこから「この豆は呪われている。死者の食べ物」みたいな考えが広まり、あのピタゴラスも食べるのを禁止していたとか。
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