とある喫茶店の店長からの課題

<創作> <シリーズ:とある喫茶店~> <日常> <掌編/文字数:300文字>

公開日:2018/02/03
Twitter300字ss企画(Web企画投稿作品再録)
お題:試す


「うん、今日も淹れ具合バッチリだね」
 普段は他の仕事で外出しがちな店長も、今日は久々に顔を出し、いつもの味を確かめてにんまりする。だが、看板娘はどこか元気がない。
「店長、どうやってこの店を繁盛させたらいいんでしょうか?」
 彼女はそう溜息をついて店外をみやる。
 建物二階に位置する店からは墓場が丸見えの、最寄駅からだいぶ離れたこの立地だ。普通なら人は殆ど寄り付かない。
 店長は、悪戯な笑みを浮かべてこう応えた。
「じゃあ、アンタに試験を課そう。お店にとって必要なものは何か。これが判れば、一人前と認めてあげる。構えずゆっくり考えていいからねー」
 困惑する姪っ子をそのままに、彼女は鼻歌交じりにずずっと珈琲を啜った。

<END>
 だいぶ癖のある店長と、普段主人公である看板娘の織部茶々良との会話の一幕です。さあ、彼女は果たして謎が解けるんでしょうか?
 その解は、いつかサイトに書下ろしとして書きたいなと目論んでますm(_ _)m