とある探偵社長の窮地
<創作> <シリーズ:とある探偵と花の魔女> <ギャグ> <掌編/文字数:300文字>
公開日:2016/06/04
Twitter300字ss企画(Web企画投稿作品再録)
お題:地
智也は注文と箱の中身が合っているか確認していた。
彼らが『仕事』で使う道具は、通常手段では入手できない。なので、その筋の商人に頼んで納品して貰う。
「そういや非常食も頼んでいた筈なんだが……」
もう一つの箱に入っているもの。
それらは拳程の大きさで黒く硬い物体。パッと見は河原の石を集めてぎっしり詰め込んだ感じだ。
「……石なんざ喰えるか馬鹿野郎!」
なお、彼が石だと思っていたソレ。実は凍結乾燥させ長期保存加工したジャガイモであると教えられたのは、3日後に商人が支払請求でこの地に来た時のことだった。
それまで智也がどうやって食糧が尽きた窮地の状態を凌いでいたのか、助手が幾ら訊いても彼は答えようとはしなかった。
<END>
加工ジャガイモは南米で食されている「チューニョ」を参考にしました。