とある喫茶店での常連のボヤキ

<創作> <とある喫茶店~> <日常> <掌編/文字数:300文字>

公開日:2016/02/06
Twitter300字ss企画(Web企画投稿作品再録)
お題:光


「……なんかいつも思うんだけど、冬はここ暖かくて居心地良いよな」

 朝食を待つ間に転寝をしていた篤志は、起きるとふとそう呟いた。
「そう言われれば。何で?」
 結樹が尋ねると、茶々良が朝食を渡しながら答える。
「多分、ライトのせいですよ。ハロゲン電球って、それ自体が暖房器具に使われる位発熱量大きいですし。ただ、最近は生産量が減っているんで、LEDに切り替えるお店も多いです。うちもそろそろ考えないと……」
「へえー。じゃあ、今使っている電球が全部無くなったら、この温もりともお別れか」
 篤志はそうこぼして照明を見上げた。茶々良と結樹もそれに倣う。

「安い、便利はありがたいもんだけど、それだけが全てじゃないだろうに」

<END>