御伽噺の行方
<創作> <読み切り> <詩>
公開日:2007/02/28
書き下ろし
それはとある御伽噺
過去と未来の狭間で紡がれる 彼と彼女の逃避行
そこを彼等は逃げ出した
前に歩くことを心に誓って
それは何とも在り来りな時
あの日真実を聞かされるまでは
いや 「真実」では決してない
そう信じて その一時を彼等は捨てた
それは彼らの逃避行
開かれた箱庭からの逃避行
全てを捨てた逃避行
呪いなど出鱈目だという証明のため
だが何故そうまでする必要が?
それは瞳を奪われた彼のお話
身投げをして光を喪った王子の如く
只一つ云えることは
彼の「これまで」は
結局彼女に吸い取られたということ
<END>
~かざみ様執筆「庭園のラプンツェル」に寄せて~